夜中の砂嵐(短編No.004)
2002年8月31日【夜中の砂嵐】
ざー。
テレビのモニターに
白と黒の細かなノイズが踊る。
寒い。
まだ秋というには早すぎる夜なのに、
このうそ寒さはなんだろう。
寒さに身を震わせながら、私は。
夜中の砂嵐を、飽きもせず眺めつづけている。
「夜中にね。
テレビの砂嵐を44分間見つづけると
自分の死に様が見えるんだって」
いつか聞いた、たわいもない話。
なぜ今になって思い出したのだろう。
あ、今。
画面は次第に何かを映しはじめていた。
踊っていた砂粒が、おぼろげな輪郭を纏い始める。
次第に、鮮明に、色鮮やかに。
ノイズが唐突に鳴り止んだ。
一瞬の静寂。
ぶつ。
嫌な音が聞こえた。
画面には、裸の女にナイフを突き立てている男。
ぶつ、ぶつ、ぶつ。
何度も、何度も。
刺しては抜き、抜いては刺す。
ルーティンワークのように繰り返される行為。
次第に、赤に染まる画面。
女は、自分。
男は、知らない。
でも、この光景は。
思い出せ、いや、思い出すな。
寒い、寒い、さむい、サむイ───。
ナゼ、こンナに寒い?
あー、遅くなっちまったー。
しかし、先輩にも困ったもんだな。
終電終わってまだ飲むか普通?
ただいま。
もう寝ちゃってるか?
…なんだ、テレビつけっぱなしじゃないか。
おおい。
なんだ、いないのか。
不良娘だな、まったく。
朝帰りなんかしやがったらお仕置きだ。
とりあえず、テレビ消さないとな。
──パチン、OFF。
──────────────────────
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
──────────────────────
ぱちん、OFFです。
村上春樹です。
まあ、そんなことはどうでもよくて。
砂嵐をぼーっと見るのは嫌いじゃないです。
なにか見えるような気がしますし。
…実はロールシャッハテストに
似たようなもんだったりして。
「何か、見えますか?」
『ネタに苦しんでいるsinyさんが見えます』
…いやん。
ざー。
テレビのモニターに
白と黒の細かなノイズが踊る。
寒い。
まだ秋というには早すぎる夜なのに、
このうそ寒さはなんだろう。
寒さに身を震わせながら、私は。
夜中の砂嵐を、飽きもせず眺めつづけている。
「夜中にね。
テレビの砂嵐を44分間見つづけると
自分の死に様が見えるんだって」
いつか聞いた、たわいもない話。
なぜ今になって思い出したのだろう。
あ、今。
画面は次第に何かを映しはじめていた。
踊っていた砂粒が、おぼろげな輪郭を纏い始める。
次第に、鮮明に、色鮮やかに。
ノイズが唐突に鳴り止んだ。
一瞬の静寂。
ぶつ。
嫌な音が聞こえた。
画面には、裸の女にナイフを突き立てている男。
ぶつ、ぶつ、ぶつ。
何度も、何度も。
刺しては抜き、抜いては刺す。
ルーティンワークのように繰り返される行為。
次第に、赤に染まる画面。
女は、自分。
男は、知らない。
でも、この光景は。
思い出せ、いや、思い出すな。
寒い、寒い、さむい、サむイ───。
ナゼ、こンナに寒い?
あー、遅くなっちまったー。
しかし、先輩にも困ったもんだな。
終電終わってまだ飲むか普通?
ただいま。
もう寝ちゃってるか?
…なんだ、テレビつけっぱなしじゃないか。
おおい。
なんだ、いないのか。
不良娘だな、まったく。
朝帰りなんかしやがったらお仕置きだ。
とりあえず、テレビ消さないとな。
──パチン、OFF。
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ぱちん、OFFです。
村上春樹です。
まあ、そんなことはどうでもよくて。
砂嵐をぼーっと見るのは嫌いじゃないです。
なにか見えるような気がしますし。
…実はロールシャッハテストに
似たようなもんだったりして。
「何か、見えますか?」
『ネタに苦しんでいるsinyさんが見えます』
…いやん。
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